損害保険ニュース&トピックス 2007年
自動車事故発作が原因 「交通事故で死亡」だけで立証十分
自動車総合保険の人身傷害補償特約をめぐり、保険請求者はどこまで事故原因を立証する必要があるかが争われた訴訟の上告審判決が19日、最高裁第2小法廷であった。
中川了滋裁判長は「請求者は、事故と被保険者が受けた傷害との間に因果関係があることを証明すれば足りる」との初判断を示した。その上で、保険金の支払い請求を棄却した2審高松高裁判決を破棄、支払うべき保険金額算定のために審理を同高裁に差し戻した。
人身傷害補償特約は、事故によって車に乗っていた人が死亡したり、けがをしたりした場合、過失割合にかかわらず損害額分の保険金が支払われる。保険契約は「外来の事故により傷害を受けた場合に保険金を支払う」となっている。
中川裁判長は「『外来の事故』とは、被保険者の疾病によって生じた事故にも該当する」と指摘。その上で「保険金の請求者は、事故と傷害の間に因果関係があることを立証すれば足りる」と判断した。
上告していたのは、ニッセイ同和損保の人身傷害補償特約に加入し、乗用車運転中にため池に転落して死亡した松山市の男性の遺族。
男性には狭心症の既往症があり、損保側は「狭心症発作が原因で運転できなくなり、事故が起こった。病気が原因なので『外来の事故』に当たらない」として保険金の支払いを拒んでいた。
1、2審判決は「『外来の事故』とは事故原因が体内でなく、外部からの作用にあることをいう」とした上で、事故原因が狭心症の発作ではないことを遺族側が立証する必要があると判断し、遺族側の請求を退けていた。
2007年10月21日 09:49